院長と往診Ⅱ
2014年03月07日
昨年8月頃、ところは宮津湾の伊根への国道。往診への道。
すべて、すべて波また波の宮津湾。
遠くに日置のマンションの高いビルディングと
その先に岬の高台に宮津ロイヤルホテルと煙突。
国道は湾内の巡り道に車は進む。
昼の2時頃、突然の雷とともに、フロントガラスに叩きつける雨。
車のワイパーのうねる音がヒーヒーと
サイドの車のボディを左右から噴水のように雨が叩きつけられ車は進む。
また空が光った。
「ゴーゴー」とまるで洪水の様に国道は水浸し。
浅い川の中の如く道を車は進む。
また空が光った。
「ゴーゴー」とサイドのボディに水が「ドンドン」と打ち付けてくる。
また数回にわたって空が光りしばらくして
「ゴーゴー」と空に電光が光る。
車はなおも進み、日置を過ぎて伊根町へ。
伊根の本庄から車は左に曲がって和やかな老夫婦が住む民家へとつづく。
車のナビは「道なりです」と告げる。
車の中のテレビの野球中継のアナウンサーはひとたび大きな声。
「あっ、今ピッチャー交代を告げました」と。
ゴーゴーたる車の内と外の音を聴きながら
伊根町の湾岸を越え本庄をさらに民家へと走る。
往診の時間、民家に駆け込むのに1時間20分に達する。
すべてすべて往診中の1コマである。